ドイツ薬局便り
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著者
アッセンハイマー慶子

電子処方箋スタート

数回の延期となりましたが、いよいよドイツでも9月より電子処方箋制度がスタートしました。専用アプリを使っていない・使えない患者さんには見本のような紙の電子処方箋を医院が出します。

【電子処方箋見本】

以前、「乞う御期待!」と、締めくくって電子処方箋に関するドイツ薬局便りを発信したのですが、現状は読者の皆様の期待を裏切る形となっています。

先月9月に当薬局が受け取った電子処方箋はたったの1枚!それもスキャンしたら、いきなりレセコン画面にエラーが出ました。スタッフ全員、がっかりです。早速、レセコン会社に問い合わせたところ、薬局のシステムには問題がないとのことで、どうも電子処方箋側に不備があるようです。

親しい近隣の薬局で、この電子処方箋をスキャンできるか試したのですが、やはりエラーがでます。困ったことに、どちらの薬局でも、どこに問題があるのか分析できません。仕方がないので処方箋発行の医院に電話かけて状況を説明し、今までどおり紙の処方箋を送ってもらうことにしました。なんともお粗末なスタートです。

保険開業医院は、遅くとも来年までに電子処方箋を扱えるようにしなくてはなりません。近くの医院に医薬品をお届け(販売)したり、疑義照会したりするついでに準備状況を聞いてみるのでするが、電子処方箋を出しているところはありません。年末まで3カ月を切りましたが、慌てている様子もありません。

医院や薬局にとって、電子処方箋の導入による、これといったメリットがないのが準備に拍車がかからない理由でしょうか?

こういった状況ですので、いろいろとお話をできるのは来年も随分すぎてからになりそうです。

日本は来年2023年からの電子処方箋導入です。きっと首尾よく第1日目からスタートすることでしょう。日本の進行状況から沢山学ばせていただきたいと思います。期待しています。