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一燈照隅-03

一燈照隅
03
著者
ランタン次郎

● 一燈照隅-03

7月「梅雨明け」

2022.07.01

あっという間に梅雨の季節が、季節と言えないくらいの短さで終わってしまった。
日本列島に降り注ぐ紫外線は3月頃から急激に強くなりはじめ、5~7月にかけてピークを迎える。太陽の高度が高い6月はその紫外線も強い月で、例年なら梅雨空がそれを防いでくれているが、今年は何の遠慮も無く直射日光がギンギン降り注いで地表の温度を上げている。コロナ禍で外出を控え、ようやく外に出られると思ったらこの暑さ。小生は〝コロナに負けるな〟と心に念じ、ワクチン接種後の体内中和抗体値も900を超えて頑張っているが、さすがに混雑の中、空間を飛んでいるウィルスと周囲の視線が、マスク装着のたびに面倒臭い。

我らホモサピエンスは、生物でもないタンパク質如きに毎回翻弄される時代を必ずや克服することを願うばかりである。
だがしかし我ら生物には寿命がある。老化は抗えない。なんとか自分の細胞や筋肉,願わくば脳細胞も自分の力で長く元気さを保ちたい。最近特にそう思う。

欧州ではケアの最新潮流にリエイブルメント(再自立)という動きがある。高齢者のお部屋探しではない。日本では介護保険の〝自立支援〟が思い浮かぶが、中身は違うようだ。後者は周囲のサポーターがあれこれ面倒を見てくれる仕組みだが、リエイブルメントはその言葉自体に高齢者自身による〝自己能力の再開発〟のような響きを感じる。
小生はわずかにまだ手を差し出す側にいるから気分も悪くはないが、受ける側になる日もくるだろう。でも当分の間、電車に乗り合わせても席はまだ譲って欲しくない。自分で立っていたい。

それによそ様に面倒をかけると費用も掛かりそうだ。2年間のコロナ対策も相まって、我が国の国債発行残高は1000兆円を超えてしまったようだし、20年後の将来を背負って立つベイビーも2020年は84万人と、団塊世代の昭和24年に270万人だったのに、新生児減少がどうにも止まらない。親の脛をかじっているどころではない。親を背負う自らの自立すら危ういのだ。

これを書いている時期は参院選挙戦真っ只中である。2025年からのオールドベイビーのことも大いに気になるところだが、選挙公報に載っている与野党の公約は今の経済成長と財政の健全化の議論で喧しい。来年に出来るこども家庭庁も成果がでるのは四半世紀後だ。正気で生きているか自信がない。

知り合いの理学療法士の話では40代、50代でも老化現象が出ているらしい。これを読んでいる若者も油断めさるな。小生も自分の身は自分で守る、そしてリエイブルメントにも関心を持っていこうと思う。