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一燈照隅-08

一燈照隅
08
著者
ランタン次郎

● 一燈照隅-08

12月「順番」

2022.12.22

 4年に一度のFIFAワールドカップはアルゼンチンの36年ぶり3回目の優勝で一ヶ月に渡るゲームの幕を下ろした。決勝戦はアルゼンチンとフランス両国の名誉をかけた120分の必死の攻防ののち、最後はPK戦でアルゼンチンチームが4-2で決着がついた。すでにレジェンドとなったメッシ選手が有終の美を飾れたのはとても喜ばしい事だった。ただ、小生あのPK戦での決着はしっくりしない。試合は両チームの選手全員が体力の全てを尽くし試合運びやその技量の結果として決着して欲しいと思うのだが皆さんはどうだろうか。
 とは言えあのPK戦、違う見方もできる。サッカーはゴールキーパーを入れて11選手ずつで試合をするが、PK戦は5選手を出し合って勝負となる。聞くところによるとキックの順番は監督の指示か選手の手上げで決められるらしい。くじ引きではない。
 
 さて皆さんがチームのメンバーで今回のようにPK戦で勝敗が決まるとしたら、5人のうちどの順番を選ぶだろうか。トップは余計なことは考えず、とにかく成功してチームのムードを一気に高める役目だ。そのために点を入れることだけに集中できる。今回の決勝戦のPKはエムバペ選手、メッシ選手が共にチームメートの信頼に応えてゴールを決めた。スタジアムの観客も世界のサッカーファンも大いに盛り上がったことだろう。決まって良かったが、失敗するとその後の4選手の気分は穏やかではない。日本チームはベスト8をかけて望んだクロアチア戦で同様なPK戦となったが、最初のキッカーの南野選手が失敗してしまう。続く三笘選手も止められ、3番手の浅野選手は成功させたが4番手の吉田選手が失敗して勝負がついてしまった。
一般的はPKに絶対の自信のある選手が「一番手」、次に上手い選手が「二番手」となり、メンタル面が心配な選手は「三番手」らしい。「四番手」も微妙だが、それまでに3ゴール決めていれば精神的には楽だろう。最後に控える「五番手」の選手は今回のようにシュートせずに終わる場合もあるが、本来は最後にチームの明暗を分ける大勝負の立場となる。
 いろいろ書いたが、要するに自分だったら何番手の役を手上げするか、あるいはここはプライドを傍に置き、キッカー役は遠慮したいというのもありだろう。いずれにしても人事を尽くして天命を待つ、全力を尽くした結果ならどの順番も意味がある。

 話は違うがマーケッティングの世界にイノベーター理論というのがあり、こちらには5つの層がある。
最初に「イノベーター」情報感度が高く、新しいものを積極的に導入する好奇心を持った層で、価値観に合ったモノであれば最初に行動する層。次は「アーリーアダプター」イノベーターほど急進的ではないが、これから普及するかもしれない製品やサービスにいち早く目をつける。世間や業界のオピニオンリーダーになりやすい層だ。 次の「アーリーマジョリティー」は感度が高いものの、新しい行動には慎重な層。それを行うには合理的な理由が必要とされる。「レイトマジョリティ」の行動は消極的でなかなか動きが鈍い。利用する側が多数派だと確証を得てから行動する層だ。最後に「ラガード」最も保守的な層で、商品などが一般的に広がってから行動する層だ。ならないと採用しない層だ。

 ビジネスの世界はスポーツのそれと違って、ゴールの目指し方は様々で、損得や周囲の目は気にせず、やるべきことを見つけたらきっちりやりきる、…ってほど簡単ではないようだ。来月からいよいよ電子処方箋の運用が、始まる。
https://www.onemarketing.jp/contents/innovation-theory_re/

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29843.html