2023年1月までに電子処方箋対応薬局に!!
電子処方箋は2023年、来年の1月から運用されます。電子処方箋はまだまだ先と思っていませんか?
そうではありません。早め早めに動いてください。
薬局のオンライン資格確認システム運用開始施設数の割合は、2022年9月25日時点で52.7%です。約半数の薬局で稼働しています。
2023年4月1日より保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則が改正され、オンライン資格確認は原則義務化されます。原則義務化することより今月から電子的保健医療情報活用加算が廃止され、医療情報・システム基盤体制充実加算の算定が始まっています。
次は電子処方箋への対応が必要になります。CP羅針盤56号で述べましたHPK Iカードの日本薬剤師会への申込みも始まりました。次はレセコン会社へのシステム改修の依頼やHPKI読み取りカードリーダーの取得が必要になります。厚生労働省は2023年3月末までにオンライン資格確認を導入している薬局のうちの約7割に電子処方箋対応をしてもらいたいと考えています。補助金も3月までに導入すると、大手チェーン(処方箋受付回数月4万件以上の薬局)の場合は9.7万円、大手チェーン薬局以外の薬局は19.4万円を上限に出ます。
来年の1月以降は薬局には3パターンの処方箋が来ることになります。
- 電子処方箋
(基本的には電子的に であるが、初期は処方内容(控え)という紙が発行される。この処方内容(控え)は患者さんのもので、薬局には残らない。確認させてもらうこともできるが、確認後は患者さんに返却。患者がオンライン資格確認の画面で電子処方箋をクリックすると、自動的にレセコンに処方箋がダウンロードされる) - 紙の処方箋
(引き換え番号の記載あり、電子処方箋対応薬局だと引き換え番号を入力すると処方箋がダウンロードされる) - 今まで通りの紙の処方箋
その中で電子処方箋対応薬局ですと、1と2の処方箋を受けた場合、電子的に処理ができます。ただし、1にはHPKI(電子認証)が必要です。処方箋は電子的に保存します。2の場合は紙の処方箋ですので、調剤した薬剤師の印鑑を押して紙のままで保存します。もちろん3も受付可能です。
電子処方箋対応薬局でない場合は、1の処方箋は受付ができず、2、3の処方箋は紙の処方箋として受付できます。
薬局のメリットになりますが、オンライン資格確認システムですと、薬剤情報はレセプトデータ情報ですので、約1ヶ月のタイムラグがあります。電子処方箋だと、リアルタイムで薬の情報がわかります。電子処方箋管理サービスには、過去100日間の情報が残ります。過去100日分の薬の重複・併用禁忌(薬剤のみの相互作用、疾患に関する禁忌には対応していない)をチェックします。医師が電子処方箋を発行する際には必ず重複・併用禁忌情報の確認が必要になります。もし医師が、重複があっても投与する場合にはコメントを書くこともできます。これには多くの医療機関や薬局が参加しないとチェックの意味はありませんので、早めに厚生労働省は導入したいと考えています。
10月2日(日)に電子処方箋モデル地域(山形市酒田地域、福島県須賀川地域、千葉県旭地域、広島県安佐地域)の住民向け説明会がありました。千葉県国保旭中央病院では2023年4月以降は患者さんが電子処方箋を希望しませんと言わない限り原則電子処方箋発行を予定しているとのことです。そうすると電子処方箋に対応していない薬局は処方箋を受け付けられないということになります。私には爆弾発言に聞こえましたが、今後こういう病院も増えていくと思います。
11月から国民への告知が始まっていきます。ポスター配布も予定されています。患者さんから「ここの薬局、電子処方箋可能なの?」と聞かれたら、「1月から受け付けができるようシステム改修をしております」と答えられるように、レセコンメーカーに見積もりを依頼して導入を進めてください。
半導体不足もあり、早め早めの対応をお願いいたします。