メルマガ新着

一燈照隅-15(2023/07/31)

一燈照隅
15
著者
ランタン次郎

● 一燈照隅-15



7月 「チャットGTP」

2023.7.31

 日本の景気がどうも良くありません。バブル最盛期の90年と比べると近年はその勢いがなく日本の海外との貿易活動は低迷を続けています。また地方から若者が都会へ流入が加速し、地方では高齢者が取り残され、日本の高齢者数も増加しています。加えて若い女性の社会進出が進み、就業率が高まると同時に出生率が下がる傾向もあることから少子化対策に有効な手立ては立てにくいようです。

 さて以上の文は世の中に一般論として通用している情報のように思うのだがどうだろう。しかしこの中には古い情報がいくつかある。まず日本の昨年の輸出額はコロナ禍やロシア侵攻が続いていても、為替相場を含め、BtoBを中心とした機械やハイテク部品、素材の輸出によって昨年はバブル期の2.5倍という史上最高の額を記録しているらしい。また今都会では時間の経過と共に若者層が高齢者層へと移り、その比率を増やしていて、地方によっては高齢者が寿命を迎え、それによって若者の比率が逆に増えつつあるところも出てきている。そしてこれからの日本は世界に先駆けて、高齢者数が高止まりする要素が加わった国として考えることが必要になる。介護保険制度が始まった頃から使われている高齢者比率だけの議論は過去のものなのだ。そして若い女性の就労と出生率についても明らかな相関関係は認められていない。就業率が80%を越える島根は、70%に満たない大阪や東京より出生率が0.5ポイント以上高い。仕事に就くと子供が作れないというような単純な理由付けではないようだが、何となくそんな風に思われているのではないだろうか。

このようなデータはどれも図表として開示されているが、現代の私達が知り得ている多くは、ある時期に広く、強く、時の政府やマスコミから報道された情報を、そのまま鵜呑みにして、記憶に残っている情報ではないだろうか。それを深く検証もせず、私達は何となく世の中の空気に同調し、いつの間にか社会全体が真実として信じ込んでしまっているということはないだろうか。

皆が思い込む間違いと、皆が認識できる客観的な事実の理解との差はどこにあるのだろうか。今話題のチャットGTPや人口知能もその皮を一枚一枚剥いで中身を見てみると、今のところ単なるデータの暗記であり、大多数意見の集合体に過ぎないらしいことに気がつく。
私達は頭も身体も人口知能ほど優秀ではないにしても、知らず知らずのうちに同じ使い方の競争をしていたかもしれない。
私達がすべきことは「常識の暗記」や「場への同調」ではなく、数字とその現場を客観的に読み解く力だ。AIやチャットGPTをいたずらに恐れることも、毛嫌いすることもないのだ。人が持つ本来の力を覚醒させれば良いのだ。

先日、日経新聞も人工知能の報道利用について紙面で次のように伝えている。
「人口知能(AI)は社会を変えうる重要な技術革新であるが、意図的に誤った記事や画像を作ることができ、また意図せずに誤った情報を取り込んでしまうこともある。(中略)…日経はすでにAIを利用して、数字を取り出して所定の表現で文章を作成しているが、業績を分析したり予想したりすることはない。現場に足を運び、経験をもとに分析し情報を伝える。このプロセスを担うのはほかでもない人間である。この先も「考え、伝える」メディアとしてジャーナリズムを追求していきます。」
先日、親子のコミュニケーションのつもりで娘にあることを尋ねたら「そんなこと自分で考えなさい」と突き放された。確かに…でもちょっと哀しかった。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-18/RC27MGDWX2PV01
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html